鬱はなぜ冬に悪化するのか?西洋・東洋医学で読み解く心の不調のコピー【大宮駅徒歩7分 鍼灸如水庵】
- josuianshinkyu
- 1月8日
- 読了時間: 7分
更新日:2 時間前

目次
冬になると、なんとなく気分が晴れない、体が重くて動けない……。
そんな経験はありませんか? これらは決して「心の弱さ」ではなく、冬特有の環境変化に対して、私たちの体や脳が懸命に適応しようとしているサインです。
西洋医学と東洋医学、それぞれの視点からその理由を分かりやすく解説します。
1. 西洋医学の視点:脳の「セロトニン不足」と「リズムの乱れ」
現代医学では、冬の気分の落ち込み(冬季うつ)の主な原因は、日照時間の短さにあると考えられています。
太陽の光が足りないと「幸せホルモン」が減る
私たちの脳内では、気持ちを前向きにする「セロトニン」というホルモンが働いています。
セロトニンは日光を浴びることで作られますが、冬は日照時間が短いため、この「幸せホルモン」が不足しがちになります。
睡眠リズムと「脳のバッテリー切れ」
夜に眠気を誘う「メラトニン」という物質も、日光の影響を受けます。日照時間が変わることで、この分泌リズムが狂い、寝ても疲れが取れない、朝起きられないといった「脳のバッテリー切れ」のような状態が起こるのです。

2.【東洋医学の視点】エネルギーの減退と「衛気」の沈着
東洋医学では、冬の不調を「陽気の不足」と、それに伴うエネルギーの巡りの異常として捉えます。
・陽気の減衰と肝気の停滞
自然界の陽気が衰える冬は、私たちの体内のエネルギー動態にも大きな変化が起こります。
活動の源である「陽気」が衰えることで、本来ならのびやかに上昇すべき「肝気(かんき)」が昇らなくなり、精神的な沈み込みを引き起こします。
・心陽と腎水のバランス
太陽の光が不足すると、体内の太陽である「心陽(しんよう)」が減退し、喜びを司る精神(神)が活力を失います。
さらに、心陽の熱が不足することで身体の基盤である「腎水(じんすい)」が冷えて滞り、これが「志(意欲)」の低下を招きます。
・衛気(えき)の沈着
冬眠状態の正体 日中に身体の表層を巡り、覚醒と活動を促すのが「衛気」の役割です。
しかし陽気が不足する冬場は、この衛気が表面に浮き上がれず、身体の奥深くに沈み込みすぎてしまいます。
これが、朝起きられない、活動できないといった冬季うつ特有の「冬眠状態」を生む決定的な要因となります。
3. 「再生のスイッチ」が入らない?冬特有の停滞感の正体
東洋医学には、冬至を境に新しいエネルギーが生まれ変わる「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉があります。
本来、冬の土の中では、春に向けて新しい生命のエネルギー(陽気)が静かに動き出しています。
しかし、元々の気力(元気)が著しく不足していると、この「再生のスイッチ」がうまく入りません。
明るい「春」の気配を受け入れられず、冷たく暗い「冬」のフェーズに心が取り残されてしまう。
これが、冬の後半に向けて鬱々とした感覚が長引いてしまう大きな原因なのです。
「冬の養生法」に関してのブログはコチラ
4. あなたの鬱はどのタイプ?:弁証論治による分類
東洋医学では、一言で「鬱」と言っても、その原因(体質)によってアプローチを変えていきます。これを「弁証論治」と呼びます。
肝気鬱結(かんきうつけつ)タイプ:ストレスによる渋滞
精神的な抑圧により、気の流れが停滞した初期の状態です。
・症状:情緒不安定、ため息、脇腹や胸の張り、喉の異物感。
・治療方針:滞った気をのびやかに巡らせ、緊張を解きほぐします。
気鬱化火(きうつかか)タイプ:イライラの熱
滞った気が体の中で熱(火)を持ってしまった状態です。
・症状:激しい焦燥感、怒りっぽい、顔のほてり、口が苦い、不眠。
・治療方針:こもった熱を冷まし、昂ぶった精神を鎮めます。
痰気鬱結(たんきうつけつ)タイプ:思考のモヤ
気の停滞に、体内の余分な水分(痰湿)が絡みついた状態です。
・症状:喉の詰まり(梅核気)、頭が重い、思考が霧に包まれたように進まない。
・治療方針:粘り気のある停滞物を取り除き、気の通り道を掃除します。
心脾両虚(しんぴりょうきょ)タイプ:エネルギーの枯渇
長引く悩みや過労により、エネルギーの源(脾)と心の栄養(心)が共に疲れ果てた状態です。
・症状:深い倦怠感、物忘れ、食欲不振、眠りが浅い、悲観的になりやすい。
・治療方針:消化機能を高めてエネルギーを作り出し、心に栄養を補給します。
心腎陰虚(しんじんいんきょ)タイプ:焦燥と乾き
生命力の蓄えが減り、体を潤し冷やす力(陰液)が弱まった状態です。
・症状:常にそわそわする、動悸、手足のほてり、寝汗、不安でじっとしていられない。
・治療方針:不足した潤いを補い、腎と心の連携を整えて精神を安定させます。

さいたま市大宮・当院の「鬱」治療のアプローチ
気分の落ち込みや意欲の低下といった「鬱」の症状は、決して心だけの問題ではなく、身体全体のバランスが崩れていることの現れです。
西洋医学が「脳内の神経伝達物質」に着目するのに対し、当院の行う東洋医学では「全身の臓腑(特に肝・心・腎)のバランス」や「気・血の流れ」から、根本的な原因を追求します。
薬に頼るだけでなく、体質から根本的に整えたいとお考えの方は、ぜひ当院にお任せください。
お一人おひとりの体質や季節の影響に合わせた、オーダーメイドの鍼灸治療をご提供します。
当院が選ばれる4つの理由
・丁寧にカウンセリングで「根本原因」を特定
鬱々とした気分がいつから始まり、どんな状況(季節の変わり目、冬場、仕事のストレスなど)で悪化するのかを詳しく伺います。
さらに、脈・舌・お腹の状態を診る東洋医学独自の診察(北辰会方式)で、どの臓腑に停滞があるのか、あるいはエネルギーが枯渇しているのかを的確に見極めます。
・痛みの少ない鍼灸で「気血」を整える
髪の毛ほどの細さの鍼と、温かく心地よいお灸を使用します。
診断に基づき、あなたに最適なツボを刺激することで、滞った「気」を巡らせ、心の灯火を安定させます。自律神経を整え、トラブルが起きにくい健やかな体へと導きます。
・「自然治癒力」を高め、再発しにくい体へ
一時的に気分を紛らわせるのではなく、あなたが本来持っている「治ろうとする力(自然治癒力)」を引き出します。
その結果、鬱症状だけでなく、不眠、冷え性、胃腸の不調、慢性的な疲労感などの付随する不調も同時に改善される方が多くいらっしゃいます。
・生活習慣のアドバイスで改善をサポート
治療効果を持続させるため、特に冬場に大切な「陽気を守る食事」や睡眠のとり方などをアドバイスします。
専門家として二人三脚で、根本からの体質改善を目指しましょう。
おわりに:その鬱々とした苦しみは、体からの大切なメッセージです
もし、「自分の症状がどのタイプか分からない」「病院へ行くほどではないけれど、とにかく毎日が辛い」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
「のびやかな心を取り戻したい」と願うあなたの想いに寄り添い、全力でサポートさせていただきます。
身体の変化を実感し、不安のない日常を取り戻すために。まずはご予約をお待ちしております。

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参考文献
・『症状による中医診断と治療 上巻』編訳:神戸中医学研究会 (燎原書店)
・『鍼灸臨床能力 北辰会方式実践編』 編著:一般社団法人北辰会学術部(緑書房)
・『南山堂医学大辞典』株式会社南山堂(南山堂)
・『東洋医学に学ぶ 四季の健康法』編著:橋本浩一(Independently published)
・『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』著者:小金井信宏 (東洋学術出版)
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この記事は、『鍼灸如水庵』の[齋藤篤司]が執筆しました。





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