top of page
nyosuian_logo_white-04.png

長引く咳、止まらない咳の原因は?【大宮の鍼灸院が解説】東洋医学で探る根本改善への道

  • 執筆者の写真: josuianshinkyu
    josuianshinkyu
  • 6月13日
  • 読了時間: 10分
咳に悩む女性

はじめに:その咳、あきらめていませんか?

「風邪は治ったはずなのに、咳だけが残っている」 「季節の変わり目や、明け方になると咳が止まらない」 「病院で検査しても『異常なし』と言われたけれど、咳はつらいまま…」

こんなお悩みはありませんか?


咳は、私たちの体からの重要なサインです。


単なる風邪のなごりだと思って放置していると、日常生活に支障をきたすだけでなく、背後に思わぬ原因が隠れていることもあります。


この記事では、つらい咳の症状にお悩みの方へ向けて、西洋医学と東洋医学、両方の視点からその原因とメカニズムを紐解き、鍼灸治療による根本改善の可能性について詳しく解説します。


大宮駅東口から徒歩7分の鍼灸如水庵では、あなたの咳の「本当の原因」を見つけ出し、つらい症状からの解放をサポートします。


目次

診察する医師

西洋医学が考える「咳」のメカニズム

西洋医学では、咳を「気道内の異物や分泌物を排出するための防御反射」と捉えます。


ホコリやウイルス、痰などが気道にある「咳受容体」を刺激すると、その信号が脳(延髄の咳中枢)に送られます。


そして、脳からの司令で横隔膜や肋間筋などが激しく収縮し、「ゴホッ!」という爆発的な呼気となって異物を外に追い出すのです。


この司令塔の役割を担うのが「迷走神経」です。迷走神経は首からお腹まで広がる非常に長い神経で、呼吸器だけでなく、のど、耳、消化器など多くの器官の感覚を脳に伝えています。


そのため、以下のような要因で迷走神経が過敏になると、しつこい咳の原因となることがあります。

  • アレルギー反応: 花粉やハウスダストなどが、のどや気管支の粘膜を刺激し続ける。

  • 胃食道逆流症(GERD): 胃酸が食道に逆流し、のどの奥にある咳受容体を刺激する。胸焼けなどが無くても咳だけが出る「非びらん性胃食道逆流症」も増えています。

  • 自律神経の乱れ: ストレスや過労で交感神経が優位になると、気道が過敏になり、わずかな刺激でも咳が出やすくなります。(例:咳喘息、アトピー咳嗽)

  • 薬の副作用: 降圧剤(ACE阻害薬)などが原因で咳が出ることがあります。


長引く咳の場合、風邪だけではなく、以下のような疾患の可能性も考えられます。気になる症状があれば、まずは呼吸器科などの専門医を受診することが重要です。

  • 痰を伴う咳: 副鼻腔気管支症候群、慢性気管支炎、気管支喘息、肺癌など

  • 痰の出ない乾いた咳: 咳喘息、アトピー咳嗽、胃食道逆流症、間質性肺炎など


東洋医学

東洋医学が捉える「咳」―原因は“肺”だけじゃない?

東洋医学では、咳を**『咳嗽(がいそう)』**と呼びます。古くは、痰がなくコンコンと乾いた音のするものを「咳」、声はなくゴホゴホと痰が絡むものを「嗽」と区別していましたが、現在は両方を合わせて『咳嗽』と呼ぶのが一般的です。


東洋医学の大きな特徴は、咳の原因を“肺”だけの問題と捉えないことです。私たちの体は、さまざまな臓腑がオーケストラのように連携して成り立っています。


咳は、そのオーケストラのどこかのパート(臓腑)の不調和が、“肺”という形で音(症状)として現れたもの、と考えるのです。


その不調和の根本にあるのが「気機の失調」です。


分かりやすい「気機の失調」解説

「気」とは、体を動かす生命エネルギーのことです。「気機(きき)」とは、そのエネルギー(気)の流れ、いわば体内の交通システムです。


この交通システムには、4つの基本的な流れがあります。

  • 昇(しょう): 上向きにエネルギーを運ぶ(肝・脾)

  • 降(こう): 下向きにエネルギーを鎮める(肺・胃)

  • 出(しゅつ): 体表に向かってエネルギーを発散する(肺)

  • 入(にゅう): 体の奥深くにエネルギーを取り込む(腎)


健康な状態では、この「昇・降・出・入」の交通整理がスムーズに行われ(気機調暢)、体は快調です。しかし、どこかで交通渋滞や通行止め、逆走が起こると(気機失調)、さまざまな不調が現れます。


咳の場合、本来は気を下向きに鎮める**「肺の粛降(しゅくこう)」**という働きが失調し、エネルギーが上へ逆流する(肺気上逆)ことで発生すると考えられています。


呼吸のメカニズム―「肺」と「腎」の共同作業

東洋医学では、呼吸は「肺」だけで行っているわけではありません。

  • 呼(息を吐く): 「肺」が中心となり、体内の不要な気を外に出します(宣発)。

  • 吸(息を吸う): 「肺」が取り込んだ新鮮な気を、「腎」が体の奥深くへしっかりと引き込みます(納気)。


「腎」には、吸った息をキャッチし、呼吸を深く安定させる“アンカー”のような役割があるのです。


加齢や疲労で「腎」の力が弱ると、このアンカーが効かなくなり、息が浅くなったり、ちょっとした刺激で咳き込んだりするようになります。


このように、咳の原因は、風邪のような外からの要因(外感)だけでなく、体の内側の臓腑の機能低下(内傷)によっても引き起こされるのです。


【あなたの咳はどのタイプ?】東洋医学による咳の弁証分類

鍼灸治療では、あなたの体質や咳の性質を詳しく分析し、根本原因を見極めます。これを**「弁証(べんしょう)」**と言います。ここでは代表的な咳のタイプをご紹介します。

  1. 風寒束表(ふうかんそくひょう)による咳嗽(冷えと風邪でのどがキュッとなるタイプ)

    • 【特徴】 多くの場合、悪寒もしくは悪風、無汗もしくは微発汗、頭痛、骨節酸痛などの表証所見を伴う。

    • 【治法】 疏風散寒・宣肺止咳(体の冷えを追い出し、肺の働きをスムーズにして咳を鎮めます)

  2. 風熱襲肺(ふうねつしゅうはい)による咳嗽(熱を伴う風邪でのどが痛み、痰が絡むタイプ)

    • 【特徴】 黄色or黄白色で粘稠痰 口乾 咽痛 頭痛 鼻閉 発熱 軽度の悪風 自汗

    • 【治法】 辛涼解表(体の熱を冷ましながら、肺の機能を正常化させます)

  3. 燥邪傷肺(そうじゃしょうはい)による咳嗽(乾燥によって肺がダメージを受ける空咳タイプ)

    • 【特徴】 粘稠で切れにくい少量の痰 痰に混血 もしくは乾咳で無痰 鼻孔・咽の痒みや疼痛 寒がる 発熱

    • 【治法】 宣肺潤燥・止咳(肺を潤して乾燥から守り、咳を止めます)

  4. 暑湿(しょしつ)による咳嗽(梅雨時期など湿気と熱による重だるい咳タイプ)

    • 【特徴】 粘稠で多痰 黄色粘稠痰 胸苦 発熱 熱感 多汗 倦怠感 汗が出ても解熱しない 頭が張る 咽痛 水分はあまり欲しない

    • 【治法】 清暑宣肺・化湿和脾(体の熱と湿気を取り除き、肺と胃腸の働きを整えます)

  5. 肺熱(はいねつ)による咳嗽(肺自体に熱がこもって起こる激しい咳タイプ)

    • 【特徴】 呼吸促拍 黄色で粘稠な痰 呼気が熱く感じる 口苦 咽の乾燥or咽痛 胸痛 胸苦

    • 【治法】 清肺化痰(肺の熱を直接冷まし、痰を取り除きます)

  6. 肺燥(はいそう)による咳嗽(慢性的な潤い不足による空咳タイプ)

    • 【特徴】 乾咳 咳をすると胸が痛む 無痰 鼻孔や咽の乾燥 嗄声

    • 【治法】 清熱潤燥・生津止咳(体の熱を冷ましつつ潤いを生み出し、咳を止めます)

  7. 痰湿(たんしつ)による咳嗽(胃腸の弱りから来る痰がらみの咳タイプ)

    • 【特徴】 痰を出す為に咳が生じ、痰が出ると咳が止む 白色で多量の痰(熱が関与すれば粘稠度が増す) 顔面浮腫 食欲不振 胸や腹が張って苦しい 悪心 嘔吐

    • 【治法】 健脾燥湿・化痰止咳(胃腸を元気にして、痰の発生源を断ち切ります)

  8. 肝火犯肺(かんかはんぱい)による咳嗽(ストレスやイライラが引き金となる咳タイプ)

    • 【特徴】 咳をすると顔面紅潮してのぼせたり、胸脇部が詰まって痛む。イライラや易怒、精神的にカーっとのぼせると、咳が出る。プレッシャーや嫌なことに直面すると咳が出る。痰が出ても咳が落ち着かない。咽喉部の異物感があり、咳をしても取れない。

    • 【治法】 清肝瀉火・潤肺化痰(高ぶった「肝」の炎を鎮め、逆流したエネルギーを下げて咳を止めます)

  9. 肺気虚(はいききょ)による咳嗽(肺のエネルギー不足による力ない咳タイプ)

    • 【特徴】 声に力が無い 息切れ 顔色が白い 自汗 悪風 風邪を引きやすい

    • 【治法】 補肺益気(肺のエネルギーそのものを補給し、体を守るバリア機能を高めます)

  10. 肺陰虚(はいいんきょ)による咳嗽(体の潤い不足による慢性的な空咳タイプ)

    • 【特徴】 慢性のかすれた咳でなかなか止まらない 粘稠で少量の痰 痰に血が混ざる 羸痩 口や咽の乾燥 陰虚火旺を呈すると、午後の潮熱 盗汗 五心煩熱 息切れ

    • 【治法】 養陰止咳・潤肺止咳(体の根本的な潤いを養い、肺の乾燥を防いで咳を止めます)

  11. 脾虚(ひきょ)による咳嗽(胃腸虚弱で痰が作られやすい体質タイプ)

    • 【特徴】 白色で喀出しやすい多量の痰 息切れ 倦怠感 顔色が白くむくむ 食欲不振 腹が張って苦しい 味がない 悪心 泥状便 寒がり

    • 【治法】 健脾益気・燥湿化痰(胃腸を元気にし、エネルギーと痰を作り出す根本から改善します)

  12. 腎陽虚(じんようきょ)による咳嗽(体の冷えと老化による息切れ咳タイプ)

    • 【特徴】 泡沫上の薄い痰 息切れ 動くと症状が悪化 咳が酷いと遺尿 顔面白く浮腫む 肢体まで浮腫むこともある 腰酸痛があり畏寒 臍下から気が上に向かって奔逆する(奔豚気)感じがすることもある。

    • 【治法】 温補腎陽(体を芯から温め、呼吸を安定させる「腎」の力を取り戻します)

鍼灸如水庵院内風景

なぜ「鍼灸如水庵」の治療があなたの咳を改善に導くのか

当院では、上記の弁証に基づき、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの鍼灸治療を行います。

  1. 丁寧なカウンセリングで「根本原因」を特定

    あなたの咳がいつから、どんな時に、どのように出るのかを詳しくお伺いします。さらに脈や舌、お腹の状態などを診る東洋医学独自の診察法で、どの臓腑に不調和が起きているのかを的確に把握します。

  2. オーダーメイドの施術で「気機の失調」を整える

    診断結果に基づき、あなたの咳の根本原因にアプローチするツボを選定。髪の毛ほどの細さの鍼と、温かく心地よいお灸で「気機の失調」を整え、エネルギーの逆流を正常な流れに戻します。これにより、咳が出にくい体へと導きます。

  3. 「自然治癒力」を高め、再発しにくい体へ

    鍼灸治療は、薬で咳を抑え込む対症療法とは異なります。あなたの体が本来持っている「自然治癒力」を引き出し、体全体のバランスを整えることを目的とします。そのため、咳だけでなく、冷えや不眠、胃腸の不調といった付随する症状も同時に改善される方が多くいらっしゃいます。

  4. 生活習慣のアドバイスで体質改善をサポート

    治療効果を長持ちさせ、再発を防ぐために、食事や睡眠、セルフケアなど、日々の生活で実践できることを東洋医学の観点からアドバイスします。あなたと共に、根本からの体質改善を目指します。

問いあわせ中

その咳、あきらめる前にご相談ください

「もうずっとこの咳と付き合っていくしかない」 そう思っている方も、ぜひ一度、鍼灸という選択肢を考えてみませんか?


東洋医学は、病院の検査では見つからないような、あなたの体の小さなサインを読み解き、根本原因にアプローチすることを得意としています。


大宮駅徒歩7分の鍼灸如水庵では、豊富な知識と経験に基づき、あなたのつらい咳からの解放を全力でサポートいたします。


驚きの変化を体験するために、今すぐご予約ください!


鍼灸如水庵

【ご予約・お問い合わせ】

咳やその他のお身体の不調に関するご質問やご不安な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

鍼灸如水庵 〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門町3丁目150-1 カーサソラール大門302

(JR大宮駅・東武アーバンパークライン大宮駅 東口より徒歩7分)


参考文献

  • 『症状による中医診断と治療 上巻』著:趙金鐸 編訳:神戸中医学研究会 (燎原書店)

  • 『鍼灸臨床能力 北辰会方式実践編』監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人北辰会学術部 (緑書房)

  • 『鍼灸臨床能力 北辰会方式理論編』監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人北辰会学術部 (緑書房)

  • 『南山堂医学大辞典』著者:株式会社南山堂(南山堂)

  • 『咳のみかた、考え方』(中外医学社) 著:倉原優


外部リンク


参考サイト

Comments


bottom of page