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あなたのめまい、どこから?西洋医学と東洋医学で探る原因と鍼灸でのアプローチ【大宮駅徒歩7分 鍼灸如水庵】

  • 執筆者の写真: josuianshinkyu
    josuianshinkyu
  • 5月17日
  • 読了時間: 14分

めまいで悩む男性

「なんだかグラグラする…」「立ち上がるとクラっとする…」「グルグル回るめまいに襲われた…」

めまい、ふらつきは日常的によくある症状ですが、その辛さは本人にしか分からないもの。もしかしたら、体のどこかに原因が隠れているサインかもしれません。


西洋医学では内耳や脳の異常、自律神経の乱れなど様々な原因が考えられますが、東洋医学でもめまいは重要な不調として捉えられており、あなたの体質や状態によって異なる原因があると考えます。


このブログでは、めまいの原因について、西洋医学・東洋医学の両方の視点から掘り下げて解説します。


特に東洋医学で考えるあなたの「めまいタイプ」を知ることで、改善へのヒントが見つかるかもしれません。


ぜひ最後まで読んでいただき、つらいめまいを根本からケアするための一歩を踏み出しましょう。


目次



耳を検査する医師

1.西洋医学で考えるめまいの原因とは?

西洋医学におけるめまい(眩暈)は、その原因によって主にいくつかのタイプに分類されます。

 

平衡感覚を司るシステムは、耳の奥にある内耳、平衡感覚に関わる神経、そして脳(脳幹・小脳など)が連携して機能していますが、これらのどこかに異常が生じるとめまいが発生します。


西洋医学的なめまいの主な原因は以下の通りです。


①末梢性めまい(内耳性の原因) 


めまいの原因として最も多いタイプです。


内耳の平衡器官(三半規管、耳石器)やそこから脳に情報を伝える前庭神経に問題が生じることで起こります。


ぐるぐる回るような「回転性めまい」が多く見られます。

  • 良性発作性頭位めまい症 (BPPV)

    内耳にある耳石(炭酸カルシウムの小さな塊)が剥がれて三半規管に入り込み、頭を特定の位置に動かしたときに短暂的な回転性めまいが起こる病気です。

  • メニエール病

    内耳の内リンパ水腫(内耳のリンパ液が増えすぎる状態)が原因と考えられており、激しい回転性めまい発作、難聴、耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)を繰り返す病気です。

  • 前庭神経炎

    平衡感覚を脳に伝える前庭神経に炎症が起こる病気で、多くの場合、ウイルスの感染が原因とされます。突然の激しい回転性めまいが数日から数週間続くことがあります。難聴や耳鳴りは伴いません。

  • 内耳炎

    内耳に炎症が起こることで、めまい、難聴、耳鳴りなどの症状が出現します。細菌感染やウイルス感染が原因となります。

  • 突発性難聴

    原因不明の突然の難聴ですが、約半数のケースでめまいを伴います。


②中枢性めまい(脳性の原因)

脳幹や小脳など、平衡感覚を処理する中枢神経系に異常がある場合に起こります。


体のふらつきや不安定感が強く、「浮動性めまい」として感じられることが多いですが、回転性めまいとして現れることもあります。


末梢性めまいに比べて症状が重篤であったり、他の神経症状(手足の麻痺、呂律が回らない、物が二重に見えるなど)を伴うことがあり、注意が必要です。

  • 脳梗塞・脳出血

    脳幹や小脳の血行障害や出血によってめまいが生じることがあります。これは緊急性の高い状態です。

  • 脳腫瘍

    小脳や聴神経などに腫瘍ができることで、めまいやふらつきが現れることがあります。

  • 多発性硬化症

    中枢神経系の病気で、めまいや平衡感覚の障害が見られることがあります。

  • 片頭痛(前庭性片頭痛)

    片頭痛に伴ってめまいが起こることがあります。頭痛がない場合もあります。


➂その他の原因によるめまい 

平衡感覚を司るシステム自体の問題ではなく、全身的な問題や心の問題によってめまいが引き起こされる場合もあります。多くは体がフワフワするような「浮動性めまい」や、立ちくらみのような「前失神性めまい」として現れます。


  • 循環器系の問題

    不整脈、心不全、低血圧、高血圧など、心臓や血管の病気により脳への血流が一時的に低下することで立ちくらみやめまいが起こります。起立性調節障害もこれに含まれます。

  • 代謝性の問題

    糖尿病や甲状腺疾患など、ホルモンバランスの異常がめまいを引き起こすことがあります。

  • 薬剤性

    一部の薬(降圧剤、抗生物質、精神安定剤など)の副作用としてめまいが現れることがあります。

  • 精神的な原因

    ストレス、不安、パニック障害、うつ病などがめまいの原因となることがあります(心因性めまい)。自律神経の乱れが関与していることが多いです。

  • 貧血

    血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが不足することで、脳が酸素不足になりめまいを感じることがあります。

  • 頸性めまい

    首の骨や筋肉の問題がめまいに関与しているとする考え方もありますが、診断は難しい場合があります。


めまいの原因を特定するためには、めまいの性質(回転性か浮動性かなど)、持続時間、誘発される状況(特定の頭位や動作など)、およびめまい以外の随伴症状(難聴、耳鳴り、頭痛、手足のしびれなど)が重要な手がかりとなります。


めまいを感じた場合は、自己判断せず、医療機関(耳鼻咽喉科、脳神経内科など)を受診し、正確な診断を受けることが大切です。




2.東洋医学で考えるめまい そもそも「眩暈(めまい)」ってどんな意味?

風にゆられる木

東洋医学で物事を考えるとき、漢字の意味というのが非常に重要になってきます。


「眩暈」という言葉自体にも、その症状の特徴が表れています。


眩暈(めまい)は、古代の書籍では、「頭暈(ずうん)」、「掉眩(とうげん)」、「冒眩(ぼうげん)」などなど、色々な時代で、様々な名称で呼ばれています。


「眩」とは、視覚する対象物が暗く不鮮明に見えたり、はっきり見えなくなること。


「暈」とは、周囲の景色が回旋するような感覚を覚えることを言います。


「目眩」とは、目がかすみ視界が暗くなって、見えなくなるものを指します。


「頭暈」とは、頭や身体が、揺れて乗り物に乗っているような感覚、外界の景色が揺れている感じるものを指します。


「目眩」、「頭暈」は同時に発生することが多いので、まとめて「眩暈」と言います。


3.東洋医学の視点~「諸風掉眩皆肝に属する」とは?

東洋医学では、めまいを体のバランスの乱れや特定の「証(しょう)」(病気や体質を東洋医学的に捉えたもの)として捉えます。その中で非常に重要な言葉があります。


眩暈を東洋医学的に考えるうえで、重要になってくる言葉があり、それは、「諸風晫眩皆肝に属する(しょふうとうげんみなかんにぞくす)」です。


この言葉は、東洋医学の古典である『黄帝内経(こうていだいけい)』などに見られる言葉です。


「様々な『風(ふう)』の症状や、『掉眩(とうげん)』、すなわち震えやめまい、ふらつきといった症状は、すべて『肝(かん)』という臓腑と関連が深い」という意味を示しています。


東洋医学において、「肝」は西洋医学の肝臓という特定の臓器だけでなく、気や血の流れをスムーズにする働きや、自律神経の調整、精神活動、筋肉や腱の働きなど、広範な生理機能を司る概念です。


また、東洋医学では自然界の「風」の性質(動きが速く変化しやすい)が体内で異常な動きとなって現れる病態を「内風(ないふう)」と呼ばれています。


ただ、実際には、「肝」の問題だけではなく、眩暈が起きる原因には様々あります。次に、東洋医学で考える代表的なめまいの原因タイプ(弁証)をご紹介します。


4.【体質別】東洋医学が考えるめまいの8つの主な原因(弁証)

脈診する医師

東洋医学では、めまいの原因をその方の体の状態(体質や病気の状態)に合わせて細かく分類し、「弁証(べんしょう)」として捉えます。同じめまいという症状でも、原因となる体のバランスの崩れ方が異なれば、アプローチも変わってきます。


ここでは、めまいの主な8つのタイプ(弁証)をご紹介します。あなたのめまいがどれに当てはまるか、チェックしてみましょう。


タイプ1:張りやイライラを伴うめまい 肝陽上亢

ストレスが多い、気が張りやすい方に起こりやすいめまいかもしれません。

原因

 元々体に「陽気(体を温め活動させるエネルギー)」が多い体質(陽盛火旺)の方が、悩みすぎたり強いストレスを受けたりすることで気の流れが滞り(気鬱)、それが熱に変わり(化火)、さらに体の潤い(肝陰)を消耗させてしまいます。潤いがなくなると、相対的に体の熱やエネルギー(肝陽)がコントロールを失って頭に突き上げ(肝陽上亢)、それが「風」のような勢いを持って頭部を乱す(肝風内動、風火上擾)ことでめまいが生じます。

特徴

ふらつき、眩暈、張るような痛み、怒ると症状が悪化、怒りっぽい、眠りが浅い、よく夢を見る、口が苦いなどの症状が認められる。

治法

平肝潜陽 補益肝腎 (肝の高ぶりを抑え、体の潤いを補う)


このタイプは、エネルギーが頭に上りすぎている状態と考えられます。リラックスする時間を大切にすることも改善のヒントになります。


タイプ2:怒りや熱でカッとなるめまい 肝火上炎

怒りっぽさや体の熱感が強い場合に見られるめまいです。

原因

ストレスなどで気の巡りが滞った状態(肝鬱)がひどくなり、それが強い熱(肝火)に変化し、その熱が勢いよく体の上部、特に頭に燃え上がる(上炎)ことでめまいが引き起こされます。まるで火が燃え盛るように、気が上へ突き上げられるイメージです。

特徴

イライラしやすく怒りでめまいが増悪する。頭痛や顔面紅潮、眼の充血、口の苦味や口の渇き、心煩不眠

治法

清肝瀉火 降火 (肝の強い熱を冷まし、上昇を鎮める)


強い熱が影響しています。カッとなりやすい傾向があれば、意識的にクールダウンを心がけてみましょう。


タイプ3:疲れやすく、考えすぎると出るめまい 心脾両虚

体だけでなく、心も疲れていると感じる方に多いめまいです。

原因

過度な心配事や考えすぎなど、精神的な負担が長く続いたり、大きな病気を患ったり大量に出血したりすることで、「心(精神や血脈を司る)」と「脾(消化吸収やエネルギー生成を司る)」という大切な臓腑の機能が共に弱ってしまいます。これにより、全身を巡るエネルギー(気)と血液(血)が十分に作られず不足し(気血消耗)、頭部への栄養や支えが足りなくなることでめまいが生じます。

特徴

頭のふらつき、目のかすみ。心身疲労で悪化。漠たる不安感、動悸や倦怠感。食欲不振、不眠。

治法

補気血 益心脾 (エネルギーと血液を補い、心と体の疲れを回復させる)


エネルギー(気血)が不足しています。まずは心身ともにゆっくり休むことが大切ですす。


タイプ4:胃腸が弱く、だるさと共にあるめまい 脾気虚

消化器系の弱りや、体のだるさが目立つ方のめまいです。

原因

体質的に胃腸が弱い方(脾胃虚弱)や、過労によって体の基本的なエネルギー(元気)が消耗した結果、消化吸収を行い全身にエネルギーを供給する「脾」の働きが低下します。これにより、体が活動するための根幹のエネルギー(中気)が不足し、頭部を支えたり栄養を送ったりする力が弱まり、めまいが発生します。

特徴

横臥したくなり、起き上がると眩暈が増悪する。肉体負荷によって増悪する。全身倦怠感、食欲不振。

治法

補中益気 (胃腸の働きを高め、体の元気を補う)


消化吸収に関わる「脾」の働きが弱く、エネルギーが不足している状態です。胃腸に優しい食事を心がけましょう。


タイプ5:年齢や無理から来る、慢性的なめまい(腎精不足)

加齢や慢性的な疲労、無理が続いている方に現れやすいめまいです。

原因

生まれつき体の弱い方(先天不足)、加齢による自然な衰え(老化)、あるいは過度な性生活(房労過度)などにより、生命活動の根源である「腎精(体を構成し機能を維持する基本的な物質)」が消耗します。腎精は骨や脳髄(ずい)を養うため、その不足は脳髄の不足(髄不足)につながり、頭部が十分に満たされず栄養されないことで、慢性的なめまいやふらつきが生じます。

特徴

頭のふらつき、眩暈感が慢性的に生じる。疲労感、健忘、耳鳴り、目がかすむ、腰や下肢がだるく無力、遺精、インポテンツなど

治法

補腎益精(体の根本的な精と潤いを養い補う)


生命力の源である「腎精」が不足しています。体を労り、滋養することが重要です。


タイプ6:体が重く、スッキリしないめまい 痰濁中阻

体に余分な水分や重だるさがある方に多いめまいです。

原因

食べすぎ飲みすぎなど、不摂生な飲食によって消化吸収を担う「脾胃」が傷つき、水分を適切にさばく働き(運化)ができなくなります。これにより体内に余分な水分が溜まり(水湿停滞)、それが粘り気のある老廃物(痰濁)に変化します。この痰濁が体の中央部分(中焦)に停滞して通り道を塞ぐ(阻滞)ことで、頭部へ昇るべき清らかで軽いエネルギー(清陽)が昇れず、体の中で重く濁ったものが下に降りられなくなり、めまいや頭重感、吐き気などを伴って生じます。

特徴

回転性の眩暈、頭重感、雨天や高湿度で眩暈が悪化。腹が張って苦しい、嘔吐、悪心、食欲不振、倦怠感など

治法

燥湿化痰 健脾和胃 (体内の余分な水分を取り除き、胃腸の働きを整える)


体内の余分な「湿」や「痰」が原因と考えられます。食事内容を見直すことも大切です。


タイプ7:かぜの後など、行ったり来たりするめまい 少陽病

病気の回復期など、体調が不安定な時期に出やすいめまいです。

原因

かぜなどの病気(傷寒・太陽病)が完全に治らずに長引いたり、病邪が体の表面から奥に進む途中の「半表半裏」という中間地点に入り込んで停滞したりする(邪が少陽に伝入)ことで生じます。この半表半裏では病邪と体を守る力(正気)がぶつかり合っており(邪正闘争)、体全体のエネルギーの流れ(気機)が滞り、スムーズな昇降ができなくなります(阻滞)。この気の滞りにより、頭部へ昇るべき清らかな気(清陽)が妨げられたり、滞った気が逆向きに上ったりすることで、頭部の平衡感覚が乱され、めまいが生じます。

特徴

咽乾、往来寒熱、悪心、胸脇部が張って苦しい

治法

和解少陽(半表半裏の病邪と正気のバランスを整える)


病邪が体の真ん中でせめぎ合っている状態です。体のバランスを整える和解というアプローチが必要です。


タイプ8:頭痛や体のこりと一緒のめまい 瘀血阻絡

頭や体に滞りがある、血行が良くない方に現れやすいめまいです。

原因

頭部への衝撃(頭部外傷)などにより、体内で血の流れが滞った状態(瘀血)が生じたり、全身の血行が悪かったりすることで起こります。

この瘀血が経絡(気血の通り道)を塞いでしまう(阻絡)ため、頭部へ向かうべき清らかなエネルギー(清陽)や新しい血が十分に届かなくなったり、気の流れが逆向きになって上ったりする(気逆)ことで、めまいが発生します。多くの場合、血行不良による頭痛や体のこりを伴います。

特徴

頭痛を伴う。健忘、不眠、心悸。精神的にスッキリしない。

治法

活血化瘀 理気行血 (血の滞りを改善し、エネルギーの流れを良くする)


血(けつ)の流れが悪く、「瘀血(おけつ)」ができていると考えられます。体を温めたり、巡りを良くするケアが有効です。


5.あなたのめまい、諦めないで。鍼灸如水庵にご相談ください

めまいは、その原因が多岐にわたり、日常生活に大きな影響を与える辛い症状です。


「病院に行ったけど原因がよく分からない」「体質だと言われた」という方もいらっしゃるかもしれません。


東洋医学、特に鍼灸では、今回ご紹介したような様々な体質や状態(弁証)に合わせて、根本的な原因にアプローチしていくことを得意としています。あなたのめまいのタイプを見極め、体のバランスを整え、気血の流れを改善することで、症状の軽減や体質の改善を目指します。


大宮駅徒歩7分の鍼灸如水庵では、丁寧な問診と東洋医学的な診察を通じて、あなたのめまいの本当の原因を探り、お一人お一人に最適な施術をご提案いたします。


「このめまいは治らないのかな…」と諦める前に、ぜひ一度、鍼灸という選択肢を考えてみませんか?あなたのつらいめまいからの解放を、私たちがサポートいたします。


驚きの変化を体験するために、今すぐご予約ください!


6.鍼灸如水庵 アクセス情報

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7.参考文献

『症状による中医診断と治療 上巻』著:趙金鐸 編訳:神戸中医学研究会 (燎原書店)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式実践編』監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人北辰会学術部 (緑書房)

南山堂医学大辞典』著者:株式会社南山堂(南山堂)


8.外部リンク


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