もう悩まない!つらい生理痛!西洋医学&東洋医学視点で解説!鍼灸で改善へ!
- josuianshinkyu
- 4月25日
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更新日:1 日前

女性の健康と月経:メカニズムから東洋医学的アプローチまで
月経は、女性の身体が持つ大切な生理機能の一つであり、健康状態を映し出す鏡のような存在です。毎月繰り返される月経のサイクルは、ホルモンバランス、全身の調子、そして心身の状態と深く関わっています。
月経に関する悩みは多くの女性が抱えるものであり、その影響は日常生活や精神的な健康にも及ぶことがあります。ここでは、月経の基本的なメカニズムから、月経不順、生理痛、月経周期の乱れといった一般的な問題について解説します。
さらに、東洋医学が月経をどのように捉え、どのようなアプローチで心身の健やかな月経サイクルをサポートするのかについても触れていきたいと思います。
目次

なぜ月経が起きるのか? ~妊娠の準備とリセット~
女性の体は、毎月、子宮の中に赤ちゃんのためのベッド、すなわち子宮内膜を準備します。
これは妊娠に備えた自然な働きです。
女性が初めて月経を迎える初潮は、この妊娠の準備が整った体へと成長したサインと言えます。
月経の流れ ~受精が起こらなかった場合~
月経のサイクルは、卵巣で卵子が育ち、卵管へと放出されることから始まります。
卵胞期:
卵巣で卵胞が成熟し、エストロゲンというホルモンが分泌されます。このエストロゲンの働きによって、子宮内膜が厚くなり、妊娠に備えたベッドが作られます。
排卵:
成熟した卵胞から卵子が放出され、卵管を通って子宮へと向かいます。
黄体期:
排卵後の卵胞は黄体となり、プロゲステロンというホルモンを分泌します。プロゲステロンは、子宮内膜をさらに安定させ、受精卵が着床しやすい状態に整えます。
月経:
卵子が精子と出会えず受精しなかった場合、妊娠は成立しません。すると、不要になった厚い子宮内膜は、血液とともに剥がれ落ち、体外へ排出されます。これが月経です。
月経の期間と正常な状態
一般的な月経の目安は以下の通りです。
初潮: 平均14歳(現代では10歳前後)
月経周期: 28日±7日(月経が始まった日から次の月経が始まる前日まで)
経血期間: 3~5日程度(長くても6~7日)
経血量: 1回の月経あたり50~80ml程度
経血の色と状態:
開始時:鮮紅色~やや濃い色
ピーク時:深紅色
終了時:黒茶色
性状:薄く、粘り気がなく、塊がない
臭い:ほとんどない
これらの状態から大きく逸脱する場合は、婦人科への相談をおすすめします。
なぜ定期的に月経は来るのか? ~女性ホルモンの働き~
月経が規則的に訪れるのは、エストロゲンとプロゲステロンという2つの主要な女性ホルモンの働きによるものです。
エストロゲン(卵胞ホルモン):
卵巣で卵胞が成長するにつれて分泌量が増加します。
子宮内膜を厚くするだけでなく、代謝の促進、精神状態の安定化、肌の潤いやツヤの維持、血管や骨の健康維持、コラーゲンの生成促進など、全身に様々な影響を与えます。エストロゲンは、子宮内膜というベッドメイキングの役割を担っていると言えます。
プロゲステロン(黄体ホルモン):
排卵後に卵巣の黄体から分泌されます。
受精卵が着床しやすいように子宮内膜を柔らかくしたり、妊娠に備えて体温を上昇させたり、乳腺を発達させたりする働きがあります。
また、子宮内膜の過剰な増殖を抑える作用もあるため、子宮体癌の予防にも関わるとされています。
月経と基礎体温 ~ホルモンバランスのバロメーター~
エストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化に伴い、女性の基礎体温は周期的に変動します。
低温期:
月経開始から排卵までの期間は、エストロゲンの影響で比較的低い体温が続きます。
高温期:
排卵後から次の月経までの期間は、プロゲステロンの分泌が増加するため、体温が上昇します。
基礎体温を記録することで、自身のホルモンバランスや排卵のタイミングを知る手がかりになります。
なぜ月経痛が起きるのか? ~プロスタグランジンの影響~
生理の直前から生理中に起こる下腹部や腰の痛みは、多くの女性が経験するものです。主な原因の一つと考えられているのが、プロスタグランジンというホルモンです。
プロスタグランジンには、子宮を収縮させて不要になった血液を体外に排出する働きがあります。しかし、このホルモンが過剰に分泌されると、子宮の収縮が強くなり、痛みとして感じられることがあります。
その他にも、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因で生理痛が起こる場合もあります。日常生活に支障をきたすほどの強い生理痛は月経困難症と呼ばれ、適切な診断と治療が必要となることがあります。
月経前の体調変化 ~月経前症候群(PMS)~
月経の3日~10日前頃から現れる、心身の様々な不調は月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)と呼ばれています。50~80%の女性が何らかの症状を経験すると言われています。
心の症状:
抑うつ感、落ち込み
イライラ、怒りっぽくなる
不安感
集中力の低下
情緒不安定
身体の症状:
腹部膨満感
下痢、便秘
胸の張り、痛み
頭痛
食欲亢進、食欲不振
むくみ
倦怠感
PMSの明確な原因は解明されていませんが、エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動が関与していると考えられています。

東洋医学と子宮 ~女子胞という特別な臓器~
東洋医学では、子宮は女子胞(じょしほう)と呼ばれ、五臓六腑とは異なる奇恒の腑(きこうのふ)の一つと考えられています。
五臓: 肝・心・脾・肺・腎(エネルギーを貯蔵する)
六腑: 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(消化・吸収・排泄に関わる)
奇恒の腑: 女子胞、脳、髄、骨、脈、胆(五臓六腑とは異なる特殊な働きを持つ)
奇恒の腑は、五臓のように常に満ちている必要はなく、六腑のように空っぽになることもありません。
月経という特別な働きを持つ女子胞は、生命の根源に関わる奇経という経絡と深く結びついています。
子宮と経絡 ~全身のエネルギーラインとの繋がり~
東洋医学では、体中にエネルギー(気血)が流れる道筋を経絡と考えます。子宮を栄養する主な経絡は以下の通りです。
足厥陰肝経(あしけついんかんけい)
足太陰脾経(あしだいいんひけい)
足少陰腎経(あししょういんじんけい)
足陽明胃経(あしようめいいけい)
さらに、子宮から発生し、全身を巡る衝脈(しょうみゃく)、体の前側の中心を通る任脈(にんみゃく)、背骨の中心を通る督脈(とくみゃく)は、一源三歧(いちげんさんき)と呼ばれ、子宮と非常に密接な関係にあります。
この他に、帯脈(たいみゃく)が腰腹部を一周して、三脈と交わり、間接的に子宮と関わっています。これらの経絡の乱れは、月経トラブルの原因となると考えられます。
7の倍数!女性の体の変化
東洋医学のバイブル『黄帝内経 素問』上古天真論では、男女の生まれてから死ぬまでの大まかな流れが記載されています。
その中で、女性は7の倍数で身体が変化すると書かれています。
7歳…腎気盛ん、歯が生え変わり、髪が長くなる。
14歳…天癸が成熟し任脈が通じて太衝脈が盛んになり、月経が来て子供が持てる。
21歳…腎気が満ちて智歯が生えて身長も伸びきる。
28歳…筋骨が堅くなり、髪が伸びて体も強壮になる。
35歳…陽明脈が衰え、顔もやつれ、髪が抜ける。
42歳…三陽脈が衰え、顔やつれ、白髪がでる。
49歳…任脈が虚し太衝脈は衰え、天癸はつき月経が来なくなるので子供ができなくなる。
この流れは成長するにつれて腎気が盛んになり、そして徐々に衰えていく流れが記載されているのですが、14歳で月経が来て、49歳で閉経しますと書いています。
月経が起こるまでの流れ(東洋医学的解釈)
腎の働き: 腎に蓄えられた精(特に天癸)が成熟し、女性としての生殖能力が備わると、月経が始まる準備が整います。
肝の働き: 肝は血を貯蔵し、全身の血流をスムーズに保つ役割があります。月経時には、肝の疏泄(そせつ:スムーズに流す)作用により、子宮へと血液が送られます。
脾の働き: 脾は飲食物から気血を生み出し、子宮内膜を栄養します。また、脾の統血(とうけつ:血を脈管内に保つ)作用が正常であれば、経血が過剰になるのを防ぎます。
衝脈・任脈の働き: 衝脈は全身の血を調節し、子宮に血液を集める役割があります。任脈は子宮の機能を維持し、月経周期を調整します。これらの経絡の気血が充実し、スムーズに流れることが正常な月経には不可欠です。
気血の運行: 全身の気と血が正常に巡ることで、子宮内膜は適切な厚さに維持され、月経時には不要になった内膜が血液とともに体外へ排出されます。
この天癸というのは、西洋医学でいう、性腺刺激ホルモンや性ホルモンの様なものだと捉えてください。
天癸が充実することで、子宮に繋がっている経絡(衝脈、任脈)が開通します。
衝脈は別名血海とも呼ばれており、衝任脈を通して、子宮が血で充実することで、月経が開始します。
この流れを毎月女性は繰り返し、妊娠の準備をして、妊娠しなければ、月経が来ることで古い経血を排出し、再び準備を開始するという流れになります。
上記の色々な臓腑や経絡などが関り、発生するわけですが、これらに何か異常がおき、身体のバランスが崩れることで、色々な問題が起きると考えられております。
東洋医学から見た生理痛:タイプ別解説
東洋医学では、月経痛の原因を様々な角度から分析し、体質や症状に合わせた治療を行います。以下に代表的な弁証分類を原因、特徴、治法に分けて解説します。
1. 気がめぐらない、イライラ張りタイプ 肝気鬱結(かんきうっけつ)による痛経
原因: 七情(喜怒憂思悲恐驚)の調和が崩れることによる全身のエネルギー「気」の巡りの悪化。気の滞りにより子宮への血流も滞る。
特徴: 下腹部の張るような痛み、イライラしやすい、胸が苦しい、経血が紫色で粘り気がある、便秘、尿が濃いなど。
治法: 疏肝理気(そかんりき:滞った気の巡りをスムーズにする)、止痛(しつう:痛みを和らげる)。
2. 血の巡りドロドロ、ズキズキ塊タイプ 血瘀(けつお)による痛経
原因: 肝気鬱結の状態が長く続くことによる気の停滞の悪化と血液の巡りの不良。子宮内の血液の流れが滞り、血の塊「瘀血」が生じ、さらなる循環障害を引き起こす。
特徴: 激しい痛みが持続する、経血が暗紫色、血塊が混じる(血塊排出後に痛みが軽減することがある)。
治法: 活血化瘀(かっけつかお:血の巡りを良くし瘀血を取り除く)、理気(りき:気の巡りを整える)。
3. カラダに余分な熱と水分、重だるタイプ 湿熱(しつねつ)による痛経
原因: 辛い物、味の濃い物、脂っこい物、甘い物の過剰摂取や慢性的な摂取による胃腸の機能低下。体内に余分な水分や熱「湿熱」が溜まり、胃腸と密接に関わる経絡(足太陰脾経、足陽明胃経)が湿熱に侵されることで月経時の腹痛が生じる。
特徴: 月経時の腹痛に加え、普段から微熱がある、おりものが黄色い、尿が濃い、頻尿など。
治法: 清熱利湿(せいねつりしつ:体内の余分な熱と湿を取り除く)、止痛(しつう:痛みを和らげる)。
4. 冷えと湿気がお邪魔、重だる冷えタイプ 寒湿(かんしつ)による痛経
原因: 冷えと湿気が混ざった「寒湿」という邪気が、下腹部にある衝脈や任脈に停滞し、気血の運行を阻害する。体の外的な要因(冷え、湿気)による影響が大きい。
特徴: 月経前や月経中に下腹部が冷えて痛む、経血が暗赤色で凝血塊を伴う。
治法: 温経散寒(うんけいさんかん:子宮を温めて寒さを散らす)、理気行血(りきこうけつ:気の巡りを整え血の巡りを良くする)。
5. カラダを温めるチカラ不足、じわじわ冷えタイプ 衝任虚寒(しょうにんきょかん)による痛経
原因: 体を温めるエネルギー「腎陽」の不足による下腹部の冷え。衝脈や任脈の気血の流れが滞る。体の内側から温める力の低下が原因。
特徴: 月経中または月経終了後に腹痛が生じる、経血量が少なく色が薄い。
治法: 温経止痛(うんけいしつう:経絡を温めて痛みを和らげる)。
6. カラダの潤い不足、生理後もチクチクタイプ 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)による痛経
原因: 長期間の病気、過度の肉体疲労、性交渉の過多などによる子宮を栄養する血液の不足と回復の遅れ。月経による出血でさらに栄養不足となる。
特徴: 月経終了後に下腹部の鈍痛が生じる、経血量が少ない、月経周期の延長、腰や膝が重く怠い、頭のふらつき、耳鳴りなど。
治法: 補益肝腎(ほえきかんじん:肝臓と腎臓の働きを補い養う)、理気止痛(りきしつう:気の巡りを整え痛みを和らげる)。
7. 元気と血液、どっちも足りない、疲れ痛みタイプ 気血両虚(きけつりょうきょ)による痛経
原因: 虚弱体質や大病後の体力低下などによる子宮を栄養するエネルギー「気」と血液「血」の両方の不足。
特徴: 経血量が不安定(多いまたは少ない)、経血が薄い色でサラサラしている、顔色が白いまたは黄色っぽい、倦怠感、めまい、動悸、声に力がない、元気がないなど。
治法: 補気養血(ほきようけつ:全身のエネルギーである気を補い、血液を養う)
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鍼灸如水庵では、東洋医学的に丁寧な問診と診察により、あなたの月経痛や月経不順、PMSなど婦人科疾患の原因を突き止めます。
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参考文献
「病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科」企画:岡庭 豊 (MEDIC MEDIA)
「生理だいじょうぶブック」著:宋美玄 漫画:あべさより (小学館)
「症状による中医診断と治療 下巻」著:趙金鐸 編訳:神戸中医学研究会(燎原書店)
『基礎中医学』著:神戸中医学研究会(燎原書店)
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