止まらない「目の痒み」を徹底解剖!西洋医学のメカニズムと東洋医学の古典から学ぶ体質改善【大宮駅東口徒歩7分】
- josuianshinkyu
- 1月21日
- 読了時間: 8分
更新日:5 日前
目次

「目が痒くて仕事に集中できない」「メイクが崩れるのがストレス…」 そんな目の痒みに悩まされていませんか?
これからの季節、特に気になるのが花粉症。実は、目の痒みは単なるアレルギーだけでなく、東洋医学でいう「肝(かん)」の乱れや、気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)といった体内の栄養バランスが深く関わっています。
今回は、現代医学の最新知見と、東洋医学の深い知恵を合わせ、あなたの痒みの正体を解き明かします。
第1部:西洋医学から見る「目の痒み」
現代医学において、目の痒みの多くは「アレルギー性結膜炎」として説明されます。
1. 痒みが発生するメカニズム:免疫の「スイッチ」
私たちの体には、外敵から身を守るための免疫システムが備わっています。
まず、花粉などが目に入ると、体の中に「IgE抗体」という、その物質専用の「鍵」が作られます。
これを感作と呼びます。
次に再び花粉が侵入し、目の粘膜にある「肥満細胞」上の鍵穴にカチッとはまると、細胞のスイッチが入ります。
スイッチが入った細胞からは、ヒスタミンなどの化学物質が一気に放出されます。
このヒスタミンが神経を直接刺激して「痒み」を出し、同時に血管を広げて「充血」や「腫れ」を引き起こすのです。これが、私たちが不快に感じる目の痒みの正体です。
2. 西洋医学的な検査と治療
眼科を受診すると、まず細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査などで結膜の状態を詳細に確認します。
ここで、アレルギー反応特有の乳頭(ブツブツ)ができているか、角膜に傷がないか、あるいは目やにの性質はどうかを診断し、痒みの原因を特定していきます。
一般的に「目の痒み」という主訴で診断される病名には、以下のようなものがあります。
季節性アレルギー性結膜炎(いわゆる花粉症)や、ダニ・ハウスダストが原因の通年性アレルギー性結膜炎は、最も多く見られる診断名です。
また、お子様や若い世代に多く、激しい痒みを伴う春季カタル、コンタクトレンズの汚れや刺激が原因で起こる巨大乳頭結膜炎なども、強い痒みを引き起こす代表的な病気です。
さらに最近では、涙の質が低下するドライアイや、まつ毛の根元の炎症である眼瞼炎(がんけんえん)、脂の腺が詰まるマイボーム腺機能不全(MGD)によって、ムズムズとした痒みを感じるケースも増えています。
西洋医学的な治療の中心は、抗ヒスタミン薬などの点眼薬です。
これらは痒みのスイッチをブロックして、今起きている不快な症状を即座に鎮めるために非常に有効です。また、炎症が強い場合はステロイドや免疫抑制剤が処方されることもあります。
防腐剤フリーの人工涙液でアレルゲンを物理的に洗い流すことも、バリア機能を守る上で推奨されます。
当院では、こうした西洋医学的な診断を尊重しつつ、目薬だけではなかなかスッキリしない、あるいは繰り返してしまう痒みに対して、東洋医学の視点からアプローチを行っています。

第2部:東洋医学から見た「なぜ目が痒くなるのか」の仕組み
東洋医学において、眼は単なる局所のパーツではなく、全身の状態を映し出す内臓の鏡です。
1. 季節・五行と五臓の深い関わり
東洋医学には、自然界の動きと人間の体をリンクさせて考える「五行説」があります。自然界に四季があるように、私たちの体も季節の影響を強く受けます。
春は五行で「木(もく)」に属し、五臓では「肝(かん)」が対応します。春になると木々が芽吹くように、人間のエネルギーである「気」も上昇しやすくなります。
この上昇する力が強すぎたり、肝のコントロールが効かなくなったりすると、エネルギーが顔や目に集中し、痒みや赤みとして現れるのです。
つまり、春の目の痒みは、季節の変化に体の内側が適応しようと奮闘しているサインでもあります。
2. 古典が教える目と体のつながり
中国医学の聖典には、目と全身のつながりが非常に深い洞察とともに記されています。
『素問』金匱真言論には、「東風は春に生じ、病は肝に在り……肝は目に開竅(かいきょう)す」とあります。春に吹く東風は肝を揺さぶり、その影響は肝の出口である目に現れます。
また、『霊枢』大惑論では、「五臓六腑の精気は、皆上りて目に注ぎて之を精と為す」と説かれています。
眼は、肝だけでなく五臓六腑すべてから届けられる精気によって支えられているのです。
3. 眼と経絡の流れ
東洋医学では、生命エネルギー「気(き)」や血液「血(けつ)」が流れるルートである「経絡(けいらく)」が、目と全身をつないでいます。この経絡の滞りが、目の不調を引き起こすと考えます。
目の内側は、心・小腸・膀胱・胆の経絡と関係が深く、目の内側の痛みや充血はこれらの経絡の滞りから生じます。
目の外側は、小腸・三焦・胆の経絡と関係し、目の横の痛みや頭痛として現れることがあります。
目の奥「目系」は、目と脳をつなぐ奥深い部分。胃・心・肝・胆の経絡や、全身のエネルギーを統括する任脈・督脈と関連し、目の奥の痛みや視力低下を引き起こすことがあります。
このように、目の不調は、単に目だけの問題ではなく、体の内側のバランスが崩れているサインです。

第3部:こういうタイプは要注意!東洋医学で見る5つの原因
ご自身の全身の状態を思い浮かべながら、どのタイプに近いか見てみましょう。
1. 風熱(ふうねつ):急性のアレルギータイプ
外敵にバリアが負け、急な熱炎症が起きている状態です。
急に激しい痒みに襲われ、白目が真っ赤に充血し、涙が出るのが特徴です。
随伴症状として、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、あるいは軽い発熱や、風を嫌う感覚が出ることがあります。
治則:疏風清熱(邪気を追い出し、熱を冷ます)
2. 風寒(ふうかん):寒暖差・冷え込みタイプ
冷たい風にあたった際や、冷えによって痒みが誘発される状態です。
赤みはそれほど強くありませんが、急に目が痒くなり、さらさらした涙が出ます。
透明な鼻水や、ゾクゾクとする寒気を伴うのが特徴です。
治則:疏風散寒(風と寒さを散らし、温めて鎮める)
3. 肝火(かんか):ストレス・イライラタイプ
自律神経が昂り、熱エネルギーが目から噴き出た状態です。
痒みだけでなく焼けるような痛みがあり、常に真っ赤な充血が見られます。
些細なことでイライラする、頭痛、顔のほてり、口の中が苦い、寝つきが悪い、便秘がちといった全身のサインに注意が必要です。
治則:清肝瀉火(肝の熱を鎮める)
4. 湿熱(しつねつ):食生活・ベタつきタイプ
ドロドロの汚れと熱が目にこびりつき、炎症がしつこく長引いている状態です。
粘り気のある黄色い目やにが出やすく、まぶたが重く腫れぼったいのが特徴です。
体が重だるい、吹き出物が出やすい、口の中がネバつくといった症状があり、甘いものやアルコールを好む傾向があります。
治則:清熱利湿(湿気を抜き、熱を冷ます)
5. 血虚(けっきょ):栄養不足・消耗タイプ
目に届く栄養が枯渇し、粘膜が栄養失調でカサカサと痒む状態です。
目が乾燥してシバシバし、夕方やスマホ使用後に悪化してかすみ目になります。
顔色がくすむ、爪が薄く割れやすい、足がつりやすい、立ちくらみがあるといった全身の栄養不足サインが見られます。
治則:養血熄風(血を補い、痒みを鎮める)
6. 陰虚(いんきょ):潤い不足・ほてりタイプ
冷却水が空っぽになり、乾きと微熱で目がジリついている状態です。
目が熱く痒い感覚があり、ゴロゴロとした異物感を伴います。
夜間や寝不足時に痒みが激しくなるのが特徴で、手足のほてり、喉の渇き、夜中に目が覚める、寝汗をかくといったサインが現れます。
治則:滋陰明目(潤いを補給し、熱を鎮める)

結びに:目薬で解決しない、その痒みに
検査をしても原因がはっきりしなかったり、目薬を毎日さしているけれどいまいち良くならなかったり、そんなもどかしさを感じてはいませんか?
西洋医学の点眼療法は、今起きている火事を消し止めるために非常に重要です。
しかし、もし痒みが繰り返されるのであれば、それは火がつきやすい体質そのものに目を向けるタイミングかもしれません。
特に花粉症の季節は、ピークを迎えてから対処するよりも、事前に体調を整えておくことが、春を快適に過ごすための最大の鍵となります。
さいたま市大宮区の「鍼灸如水庵」では、古典の知恵に基づき、あなたの目の痒みの根本原因を見極めます。
体の中の湿熱を取り除き、血や津液の巡りを整えることで、痒みに振り回されない潤いのある毎日を取り戻すお手伝いをいたします。
今年の春は、早めのケアで軽やかに過ごしてみませんか?
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住所:埼玉県さいたま市大宮区大門町3丁目150-1 カーサソラール大門302
JR大宮駅東口(北)・東武アーバンパークライン大宮駅改札口より徒歩7分
参考文献
『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』著者:小金井信宏 (東洋学術出版)
『鍼灸臨床能力 北辰会方式実践編』編著:一般社団法人北辰会学術部 (緑書房)
『南山堂医学大辞典』株式会社南山堂 (南山堂)
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』監訳:石田秀実 (東洋学術出版)
『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』監訳:石田秀実 (東洋学術出版)
『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)
『臓腑経絡学』著:藤本蓮風、奥村裕一、油谷直 (アルテミシア)
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この記事は、『鍼灸如水庵』の[齋藤篤司]が執筆しました。




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