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意外と身近な悩み?女性に多い「便秘」の真実と東洋医学のチカラ

  • 執筆者の写真: josuianshinkyu
    josuianshinkyu
  • 7月5日
  • 読了時間: 10分

更新日:8月3日

便秘で苦しむ女性

「毎日スッキリしない…」「お腹が張って苦しい」そんなお悩みを抱えていませんか?便秘は多くの方が経験する身近な症状ですが、実はその背景には性別や年齢による違いがあり、東洋医学では一人ひとりの状態に合わせたアプローチが可能です。

今回は、知っているようで知らない便秘の基礎知識と、如水庵が考える東洋医学からのアプローチについてご紹介します。


目次



なかなか排便できない女性

「便秘」は誰の悩み?年齢・性別の傾向とは


便秘は一般的に女性や高齢者に多い愁訴とされています。平成25年の国民生活基礎調査によると、便秘を感じている人の割合は全体で37.4%ですが、その内訳は**男性が26.0%に対し、女性は48.7%**と、女性の多さが際立っています。

年齢別に見ると、10代から50代では女性が男性の2倍以上も便秘を感じている人が多いというデータがあります。しかし、60歳以上になると男性も増加し、80代では女性よりも男性の方が便秘で悩む人が多くなる傾向が見られます。ご家族やご自身の年齢に当てはめてみて、意外に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。


あなたは当てはまる?便秘の定義と具体的な基準

「便秘って、何日出ていなかったら便秘なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。実は、便秘にはいくつかの定義があります。

  • 日本内科学会: 「3日以上排便がない状態、または、毎日排便があっても残便感がある状態

  • 日本消化器病学会: 「排便が数日に1回程度減少し、排便間隔が不規則で、便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指すが、明確な定義はない」と、やや曖昧な表現です。

  • 機能性便秘の国際的な診断基準「RomeⅣ」: 6ヶ月以上前から3ヶ月以上にわたって、以下の項目に当てはまる場合をより具体的に便秘と診断します。

    • 「排便回数が週3日未満」

    • 「硬便が排便時の25%以上」

    • 「用指的排便(指を使って排便を助けること)が25%以上」

    • 「努責(いきむこと)、残便感、閉塞感がみられる頻度が25%以上」

これらの基準から考えると、「私も便秘かも?」と感じる方が多いかもしれませんね。


便秘はひとつじゃない!便秘の4つの分類

便秘には、原因によって大きく4つのタイプに分けられます。ご自身の便秘がどのタイプに当てはまるか、参考にしてみてください。

  1. 機能性便秘: 腸の機能自体に問題があるタイプ。

    • A) 弛緩性便秘(腸の動きが鈍くなっている状態): 腸全体の動きが低下し、便の移動が遅くなることで起こる便秘。高齢者や運動不足の方に多いです。

    • B) 痙攣性便秘(腸が緊張して動きが悪い状態): 左側の大腸が過剰に収縮し、便の通りが悪くなる便秘。腹痛を伴うことが多く、ストレスが原因となることもあります。

    • C) 直腸性便秘(便が直腸に溜まってしまうタイプ): 便が直腸まで来ているのに、うまく排出できなかったり、便意を感じにくくなったりして起こる便秘。

  2. 器質性便秘(腸に物理的な問題があるタイプ): 大腸がんなどの腫瘍、炎症、腸の癒着、婦人科疾患などが原因で、便の通り道が狭くなっているために起こる便秘。

  3. 症候性便秘(病気の一つの症状として現れるタイプ): 甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、パーキンソン病などの神経疾患、糖尿病など、他の病気の一つの症状として現れる便秘。

  4. 薬物性便秘(薬の副作用による便秘): 特定の薬(抗コリン剤、抗精神薬、モルヒネなど)の副作用で便秘が生じるケース。特に高齢の方で多くの薬を服用されている場合は注意が必要です。


漢方生薬

東洋医学で紐解く「便秘」の根本原因:食べてから排便までの流れ

東洋医学では、便秘を単なる排便の問題として捉えるのではなく、身体全体のバランスの乱れとして考えます。食べたものが消化され、便として排出されるまでの一連の流れがスムーズに行われるためには、内臓の連携が非常に重要です。


人間は飲食物を摂取しますが、それには胃の受納腐熟(食べ物を受け入れ、消化する作用)、脾の運化作用(食べ物を消化吸収し、栄養を全身に巡らせる作用)により、食べ物を消化吸収します。

飲食物を脾胃の働きにより水穀の精微(栄養素)に転化させるわけですが、不要になった残渣物は、胃の降濁作用(不要なものを下に送る作用)により小腸へ運ばれます。


小腸では、泌別作用(液体と固形物に分け、それぞれに振り分ける作用)という働きにより、液体と固形物に分けられ、液体は膀胱へ、固形物は大腸へと分けられます。


大腸の伝導作用(便を肛門へ送り出す作用)により、便は魄門(肛門)まで、水分の吸収を行われながら進み、便として排出されます。


この一連の流れの中で、肝の疏泄作用(全身の気の流れをスムーズにする作用)や、腎の蒸騰気化作用(脾胃の働きを腎陽の働きによりサポートし、水分代謝を促す作用)、そして肺の宣発粛降作用(気を下へ下へと降ろし、津液を全身に行き渡らせることで、よりスムーズな排便を促す作用)が、うまく連動することにより、排便へと繋がります。


あなたの便秘はどのタイプ?東洋医学における便秘の「弁証分類」

東洋医学では、便秘の原因を「気(生命エネルギー)」「血(血液)」「津液(体液)」のバランスや、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の機能の乱れから細かく分類し、それぞれに合った治療を行います。これが「弁証」という考え方です。

あなたの便秘はどのタイプに当てはまるでしょうか?


1. 胃腸実熱による便秘(熱秘)

体内に熱がこもり、腸が乾燥して便が出にくくなるタイプの便秘です。

  • 原因:「熱秘」に相当する。傷寒で寒邪が入裏、化熱し、陽明の腑に伝入したもの、温病で熱邪が気分に伝入し、腸胃に結したもの、辛辣なものを過食して胃腸が熱に積集したもの。いずれも熱邪が陽明の胃腑に侵入して津液を損傷し、胃腸が熱によって、乾燥し便秘となる。

  • 特徴:数日間便秘する、腹部膨満感、腹痛、圧痛、顔面紅潮、発熱、夕方に熱が高くなる、多汗、尿が濃い、冷たい物を飲みたがる、口舌のびらん、口臭、声が濁る、呼吸が荒い

  • 治法:閉塞通閉(気の滞りや詰まりを解消し、スムーズな流れを取り戻す治療法)、攻堅泄実(体に溜まった頑固な邪気(病気の原因)を取り除き、病を解消する治療法)


2. 肝脾気滞による便秘(気秘)

ストレスなどで気の巡りが滞り、便の排出がうまくいかなくなるタイプの便秘です。

  • 原因:「気秘」に相当する。七情不和による臓腑機能の停滞、長時間座ったままであまり動かない為の臓腑機能の失調、各種原因による胃気上逆や肺気の宣発粛降の失調などは、気滞と昇降失調を生じ肺の宣発粛降を失調させ、大腸の気滞を引き起こし、糟粕が停滞して便秘になる。

  • 特徴:数日間便秘する、便意促拍するが排便しない、抑鬱感、頻回の曖気、上腹部が痞えて苦しい、胸脇部の膨満感、月経時に乳房が張る、嘔吐、咳嗽

  • 治法:順気通滞、降気通便(気の巡りを良くし、便の排出を促す治療法)


3. 脾肺気虚による便秘(虚秘)

体力が不足し、腸を動かす「気」の力が弱って便を押し出せないタイプの便秘です。

  • 原因:「虚秘」に相当する。大便が硬あるいは軟、数日間の便秘、時に便意があるが努責しても出ず汗が出て息切れする、甚だしければ呼吸促拍する、脱肛、寒がる、顔色が白い、口唇や爪に艶がない

  • 特徴:中気下陥(脾気下陥)を主とするもので、経産婦や気虚の人にみられることが多い。脾気が下陥したために、大腸は糟粕を伝導する力が弱くなり、肺気が虚して、大腸に津液が輸布されず、伝導機能も弱くなり、糟粕が長期間停滞して便秘となる。

    • 数日間排便がないのに腹部が苦痛なく、排便時に汗が出て息切れする、排便後の疲労脱力感、甚だしければ脱肛するなど

    • 糞便の形にも特徴があり、粗大で円柱状を呈し、『清代名医医話精華・余聴鴻医話』には「巨糞臂のごとし」と記載されている。

  • 治法:補益脾肺、潤腸(脾と肺の気を補い、腸を潤して排便を助ける治療法)


4. 脾腎陽虚による便秘(冷秘)

体が冷え、腸の働きが低下して便が出にくくなるタイプの便秘です。

  • 原因:「冷秘」に相当する。虚弱な老人に見られることが多い。腎陽虚で命門の火が消えて、大腸の伝導が弱くなるために生じ、気虚から発展することが多い。また、腎は二便を司るので、頻尿によって大便の津液が不足するのも原因の一つである。夜間多尿や尿後の余瀝も軽視できない。治療上も夜間頻尿、余瀝などの軽快すると便秘も暫次軽減する。

  • 特徴:便秘、顔色が青黒い、四肢の冷え、寒がる、温暖を好み寒冷を嫌う、尿量が多く、薄い、夜間多尿、排尿後の余瀝

  • 治法: 補益脾腎、温通寒凝(脾と腎の陽気を補い、体を温めて便通を改善する治療法)


5. 血虚陰虚による便秘

体液や血液が不足し、腸が潤わず便が硬くなってしまうタイプの便秘です。

  • 原因:熱病後期に見られる少食、便秘、あるいは、産後、化膿性疾患の後、高齢者、胃熱の人などで見られる長期間の便秘(数週間にわたることもある)、排便困難、便が硬く兎糞状、るい痩、咽の乾燥、顔色に艶がない、焦燥感、めまい、口唇や爪が淡白

  • 特徴:咽の乾燥・るい痩・眼窩の陥没・皮膚の弾性性低下などの津虚の症状や、顔色に艶が無い、口唇や爪が淡白、不安感、などの血虚症状が認められる。

  • 治法: 血虚には、養血潤腸(血を補い、腸を潤して便通を良くする治療法) 津虚には、養陰生津、潤腸通便(体液を補い、腸を潤して便の排出を促す治療法)


    鍼灸如水庵院内

便秘の悩み、鍼灸治療で根本からアプローチしませんか?

当院では、上記の弁証に基づき、一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイドの鍼灸治療を行います。

  1. 丁寧なカウンセリングで「根本原因」を特定 

    あなたの便秘がいつから、どんな時に、どのように出るのかを詳しくお伺いします。さらに脈や舌、お腹の状態などを診る東洋医学独自の診察法で、どの臓腑に不調和が起きているのかを的確に把握します。

  2. オーダーメイドの施術で「気機の失調」を整える 

    診断結果に基づき、あなたの便秘の根本原因にアプローチするツボを選定。髪の毛ほどの細さの鍼と、温かく心地よいお灸で「気機の失調」を整え、エネルギーの逆流を正常な流れに戻します。これにより、咳が出にくい体へと導きます。

  3. 「自然治癒力」を高め、再発しにくい体へ 

    鍼灸治療は、薬で便秘を抑え込む対症療法とは異なります。あなたの体が本来持っている「自然治癒力」を引き出し、体全体のバランスを整えることを目的とします。そのため、便秘だけでなく、冷えや不眠、胃腸の不調といった付随する症状も同時に改善される方が多くいらっしゃいます。

  4. 生活習慣のアドバイスで体質改善をサポート 

    治療効果を長持ちさせ、再発を防ぐために、食事や睡眠、セルフケアなど、日々の生活で実践できることを東洋医学の観点からアドバイスします。あなたと共に、根本からの体質改善を目指します。


まずはご相談ください!

「もうずっとこの便秘と付き合っていくしかない」 そう思っている方も、ぜひ一度、鍼灸という選択肢を考えてみませんか?


東洋医学は、病院の検査では見つからないような、あなたの体の小さなサインを読み解き、根本原因にアプローチすることを得意としています。


大宮駅徒歩7分の鍼灸如水庵では、豊富な知識と経験に基づき、あなたのつらい咳からの解放を全力でサポートいたします。


驚きの変化を体験するために、今すぐご予約ください!

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【ご予約・お問い合わせ】

咳やその他のお身体の不調に関するご質問やご不安な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

鍼灸如水庵 〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門町3丁目150-1 カーサソラール大門302

(JR大宮駅・東武アーバンパークライン大宮駅 東口より徒歩7分)


参考文献

  • 『症状による中医診断と治療 上巻』著:趙金鐸 編訳:神戸中医学研究会 (燎原書店)

  • 『鍼灸臨床能力 北辰会方式実践編』監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人北辰会学術部 (緑書房)

  • 『鍼灸臨床能力 北辰会方式理論編』監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人北辰会学術部 (緑書房)

  • 『南山堂医学大辞典』著者:株式会社南山堂(南山堂)

  • 『Gノート』2017年6月号 Vol.4 No.4 木村琢磨,阿部 剛/編 (羊土社)


外部リンク


参考サイト


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